カンヌ映画祭 日本人女性監督初のパルムドールなるか

今月13日から12日間の日程で、第78回カンヌ国際映画祭が開催される。今年はオフィシャルセレクション、監督週間、批評家週間の全部門で日本映画が選出されており、日本映画界の次世代を担う顔ぶれが揃っている。今年の審査員長はフランス人女優のジュリエット・ビノシュが務めることになっており、昨年のグレタ・ガーウィグに続き2年連続で女性の審査員長となる。映画祭のオープニングは、アメリ・ボナン監督(フランス)の『バイバイ』が飾る。
日本からは8作品が選出されており、映画祭の最高賞となるパルム・ドールを競うコンペティション部門には、早川千絵監督の『ルノワール』がノミネートされている。早川監督は、2014年にシネフォンダシオン部門(現ラ・シネフ部門)で『ナイアガラ』が、2022年にある視点部門で『PLAN75』(カメラ・ドール特別賞受賞)が選出されており、今年は満を持してコンペティション部門での選出となった。これまでに女性監督でパルムドールを受賞したのは3人だけであり、日本人ではまだいない。パルムドールの受賞作品は、映画祭最終日となる24日(現地時間)に行われるクロージングセレモニーで発表される。
学生作品(60分以下)が対象となるラ・シネフ部門には、応募総数2,700作品の中から田中未来監督の『ジンジャー・ボーイ』が選出された。ポルトガルやスペイン、アルゼンチンなどから16作品(実写13作品、アニメ3作品)が選出されており、上位3作品には賞と賞金が贈られる。2014年に平柳敦子監督の『Oh Lucy!』が2位入賞を果たしており、『ジンジャー・ボーイ』の入賞にも期待がかかる。同部門は国際映画祭の登竜門として位置付けられており、これまでに早川監督や平柳監督など12人の日本監督の作品が上映されている。
【カンヌ国際映画祭】