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「ミナリ」審査員大賞と観客賞をW受賞

(C) 2020 Sundance Institute | photo by Jovelle Tamayo

去る2月1日(現地時間)に行われたサンダンス映画祭の授賞式で、各部門の受賞作品が発表された。映画祭の最高賞にあたる審査員大賞を受賞したのは、「ミナリ」(USドラマ部門)、「ボーイズ・ステイト」(USドキュメンタリー部門)、「ヤルダ、ア・ナイト・フォア・フォーギブネス」(ワールドシネマ・ドラマ部門)、「エピセンター」(ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門)の4作品。応募総数15,100作品のうち上映作品は長編128作品、短編74作品からの受賞となった。「ミナリ」は観客賞も受賞しており、審査員大賞とのW受賞は、2009年の「プレシャス」(監督:リー・ダニエルズ)や2014年の「セッション」(監督:デイミアン・チャゼル)などに続く快挙となる。

「ミナリ」は1980年代のアメリカが舞台。“アメリカンドリーム”を夢見てロサンゼルスからアメリカ南部の田舎町アーカンソーへ移住する韓国系アメリカ人の移民家族を描いたヒューマンドラマ。本作は監督のリー・アイザック・チャン(韓国系アメリカ人)が実際に経験した実話を基に描かれており、審査員のイザベラ・ロッセリーニから「愛情と共感、そして技術が巧みに交じり合う、忘れることのできない傑作」と称賛の言葉が贈られた。リー監督は受賞スピーチで「制作の機会を与えてくれたプランBとA24、そして全てのスタッフ、キャスト、家族、関係者に心から感謝します」と喜びのコメントを述べた。

また、表彰式に先立ち、新映画祭ディレクターにタビサ・ジャクソンが就任することが発表された。タビサはイギリス出身で、これまでにロンドンの公共放送チャンネル4で番組制作を手掛け、エミー賞などの受賞歴を持つ。2013年からサンダンス・インスティテュートのドキュメンタリープログラムのディレクターを務めており、映画祭が目指すビジョンとストラテジーを実践するリーダシップが評価され、今回の就任となった。サンダンスでは初となる、“女性”、“黒人”、“外国人”のディレクターとしても高い注目を集めている。なお、タビサの就任により、サンダンスの主要ポストである、エグゼクティブディレクター、映画祭ディレクター、プログラミングディレクターは全て女性が担うことになった。

サンダンス映画祭