シネクエスト映画祭

アメリカ、カリフォルニア州北部の都市サンノゼで開催される国際映画祭。サンノゼはIT企業が多く集まるシリコンバレーの中心地であり、人口は約100万人(カリフォルニア州第3位)、北カリフォルニア最大の都市である。サンフランシスコやオークランドなどの近郊都市と共に広域都市圏を形成している。

 

シネクエスト映画祭の歴史は1990年に始まる。「クリエイト・イノベイト・エンパワー」を映画祭のテーマに掲げ、最新のテクノロジーを駆使したクリエイティビティ溢れる作品が多数上映されている。映画の新ジャンルを構築する“ニュービジョン”、未知の領域や文化を表現する“グローバルランドスケープ”、表現の可能性を広げる“バーチャルリアリティ”などの部門を設け、従来の映画の枠にとらわれない自由な作品を積極的に選出している。

 

これまでに日本から牧原亮太郎監督の「屍者の帝国」、ササキミキコ監督の「ザ・グレート・サスケ」、ナガタタケシ監督、モンノカヅエ監督の「TRACK」、ロバート・コンドウ監督、堤大介監督の「ダム・キーパー」「ムーム」、川口恵里監督の「Try the World」などが選出されている。映画芸術科学公認の映画祭でもあり、最優秀短編作品には米国アカデミー賞の応募資格が与えられる。

 

ヴェネチア国際映画祭

イタリア北東部の都市であり、ヴェネト州の州都ヴェネチアで開催される国際映画祭。ヴェネチアの人口は約30万人、118の小さな島で構成され400以上の橋で結ばれている。その美しい街並みから“水の都”と呼ばれ、イタリアを代表する観光地であり、世界遺産にも登録されている。

 

ヴェネチア国際映画祭の歴史は1932年に始まる。世界最古の国際映画祭であり、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭と並び世界三大映画祭の1つとして知られている。国際美術展覧会ヴェネツィア・ビエンナーレの一部として、毎年8月から9月にかけて市内のリド島で開催されている。

 

上映プログラムは、ヴェネチア部門(コンペティション)、非コンペティション部門、オリゾンティ部門などで構成され、コンペ部門の最優秀作品には賞と賞金が贈られる。これまでに日本からは黒澤明監督の「羅生門」、稲垣浩監督の「無法松の一生」、北野武監督の「HANA-BI」が金獅子賞を、宮崎駿監督が栄誉金獅子賞を受賞している。

 

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭

チェコ西部の都市カルロヴィ・ヴァリで開催されている国際映画祭。カルロヴィ・ヴァリは首都プラハから車で1時間ほどの距離にあり、人口は約5万人、チェコを代表する保養地として知られている。街のいたるところに温泉があり、その数は大小合わせて約300にものぼる。群馬県、草津町とは姉妹都市の関係にある。

 

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭の歴史は1946年に始まる。1989年の民主革命までチェコスバキアのもとで開催され、国内情勢の変化とともに体制を変えながら、1994年にチェコ国内の監督や俳優が新たに運営会社を設立し、現在の映画祭の形となった。

 

毎年、国内外の約200作品がワールドプレミア、インターナショナルプレミアとして上映されており、メディアや配給会社、エージェントなどから高い注目を集めている。国際映画製作者連盟公認の映画祭であり、カンヌやベルリンなどで評価の高かった作品の上映が行われるなど、世界の映画祭を賑わせた作品が一堂に会する映画祭でもある。

 

富川ファンタスティック国際映画祭

韓国北西部の都市、富川市で開催される国際映画祭。富川市の人口は約90万人、首都ソウルと韓国第三の都市仁川の間に位置する衛星都市である。「文化特別市富川」をテーマに掲げ、漫画や映画、音楽など様々な文化芸術イベントが開催されている。

 

富川ファンタスティック国際映画祭の歴史は1997年に始まる。アジアを代表するジャンル映画祭として、毎年約300作品が11日間にわたって上映される。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭やヨーロピアン・ファンタスティック映画祭連盟などとも協力し、ジャンル映画の普及に務めている。

 

上映プログラムは、コンペ部門の“プチョン・チョイス”をはじめ、有名監督の最新作を上映する”マッドマックスX”、ホラー映画限定の“アドレナリン・ライド”など、様々なプログラムで構成されており、コンペ部門の優秀作品には賞と賞金の授与が行われる。また、会期中には業界イベントBIFAN+が開催され、カンファレンスやワークショップ、エキシビジョン、プロジェクトマーケットなどが行われる。

 

レインダンス映画祭

イギリスの首都であり、最大の都市ロンドンで開催される国際映画祭。ロンドンの人口は約900万人、ヨーロッパを代表する世界都市として、政治、経済、文化の中心を担っている。世界的な観光地でもあり、大英博物館やナショナル・ギャラリー、ロンドン自然史博物館などの観光名所には世界中から観光客が訪れる。

 

レインダンス映画祭は1993年にインディペンデント映画の振興を目的に、ロンドンのミニシアターで始まる。その名はアメリカのサンダンス映画祭へのオマージュとして“レインダンス”とされた。「ギルバート・グレイプ」や「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、「メメント」など多くの注目作のプレミアを成功させており、世界で最も有名なインディペンデント映画祭の一つに数えられている。

 

毎年日本映画がプログラムされ、監督特集が組まれるなど親日の映画祭としても知られている。2017年には平柳敦子監督の「Oh Lucy!」 がオープニング作品として上映され高い評価を受けている。また、映画芸術科学アカデミー公認の映画祭であり、最優秀短編作品には米国アカデミー賞の応募資格が与えられる。

 

アヌシー・アニメーション国際映画祭

フランス南東部の都市アヌシーで開催されるアニメーションの国際映画祭。アヌシーは湖や山々に囲まれた美しい景観から“アルプスの真珠”と呼ばれている。フランスを代表する観光地でもあり、旧市街地の運河やアヌシー城、パレ・ド・リール博物館などは人気のスポットとなっている。

 

アヌシー・アニメーション国際映画祭は、1960年にカンヌ国際映画祭からアニメーション部門が独立し設立される。アニメーション映画祭としては世界最大規模を誇り、毎年国内外の約200作品が上映され、来場者は約12万人を記録している。

 

映画祭に併せて、世界最大級のアニメーション見本市MIFAが同時開催されており、世界約70カ国以上からアニメビジネス関係者が参加する一大マーケットとして注目を集めている。MIFAでは作品の共同開発や資金調達、配給権の売買、ネットワーキング、情報交換などが行われ、アニメ業界には欠かすことのできない重要なマーケットとなっている。

 

ザグレブ・アニメーション世界映画祭

クロアチアの首都であり、最大の都市ザグレブで開催されるアニメーションの国際映画祭。ザグレブはクロアチアの北西部に位置し、人口は約80万人、政治、経済、文化の中心を担っている。また、ヨーロッパを代表する歴史遺産が数多く存在しており、世界的な観光地としても知られている。

 

ザグレブ・アニメーション世界映画祭は1972年に始まり、アヌシー、オタワと並び世界三大アニメーション映画祭の1つとして知られ、「アニマフェスト」の愛称で親しまれている。2005年までは隔年での開催であったが、2006年から偶数年に短編作品を、奇数年に長編作品が上映されるようになり、さらに2015年からは毎年、長編と短編が合わせて上映されるようになった。

 

これまでに久里洋二監督や和田淳監督、水江未来監督など多くの日本映画が上映されており、手塚治虫監督の「ジャンピング」、山村浩二監督の「頭山」、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の「レッドタートル ある島の物語」 がグランプリを受賞。また、同映画祭は映画芸術科学アカデミー公認の映画祭であり、最優秀短編作品には米国アカデミー賞の応募資格が与えられる。

 

アニフィルム・アニメーション国際映画祭

チェコ北部リベレツ州の州都リベレツで開催されるアニメーションの国際映画祭。リベレツはドイツとポーランドの国境近くに位置し、人口は10万人、チョコで5番目に大きな都市である。かつては繊維産業で栄え「ボヘミアのマンチェスター」と呼ばれ、現在はチェコを代表する製造業の街として知られている。

アニフィルム・アニメーション国際映画祭の歴史は2002年に始まり、プロ、アマ、ジャンル、国籍を問わず国内外の様々なアニメーションが上映されている。新設の映画祭ではあるが、最新のトレンドや技法を取り入れた作品を積極的に選出し、ヨーロッパで今最も注目を集めている映画祭の一つである。

毎年約130作品が上映され、各部門の最優秀作品には賞と賞金が授与される。これまでに日本から平岡政展監督の「EZ3kiel/L’Œil du Cyclone」と土屋萌児監督の「青春おじいさん」が最優秀ミュージックビデオ作品賞を受賞している。

サウス・バイ・サウスウエスト映画祭

アメリカ南中部に位置するテキサス州の州都オースティンで開催される国際映画祭。オースティンは全米で11位、テキサス州で4位の人口約100万人の都市であり、1990年代以降ハイテク産業が経済の中心となり多くのIT企業が集まる“シリコンヒルズ”と呼ばれている。映画製作や映画祭の運営にも力を入れており、アメリカ映画専門誌ムービーメーカーによる「映画製作に適した街」で全米TOP10に選ばれている。

 

サウス・バイ・サウスウエスト映画祭は、もともと音楽イベントとして開催されていたサウス・バイ・サウスウエストに1994年に映画祭が加わり、現在の総合芸術イベントの一つとして定着した。「映画や音楽、インタラクティブなどのジャンル捕らわれない新しい才能の発掘」を目的とし、インディペンデントからブロックバスターまで幅広いジャンルの作品を上映し、その取り組みや実績は世界中から注目を集めている。

 

毎年、応募総数約8千本の中から約250本が上映され、審査員や観客による投票で賞の授与が行われる。日本映画は常に高い評価を得ており、2016年に佐藤信介監督の「アイアムアヒーロー」が観客賞を、冠木佐和子監督の「おかあさんにないしょ」が審査員特別賞を、ムライ・ヒロ監督の「Sober」が審査員賞を受賞している。

 

テッサロニキ国際映画祭

ギリシャ北部の都市テッサロニキで開催される国際映画祭。テッサロニキは首都アテネから約500km北に位置するエーゲ海に面した湾岸都市である。その面積は東京の港区とほぼ同じ大きさであり、人口は約33万人(国内第2位)、公用語はギリシャ語。首都アテネに次ぐ第2の都市として、政治、経済、文化において重要な役割を果たしている。

テッサロニキ国際映画祭の歴史は1960年に始まる。ヨーロッパの中でも歴史のある映画祭の一つであり、開催当初はギリシャ映画限定の国内向け映画祭であったが、1992年から国際部門を設け現在に至る。毎年約200作品が上映されており、日本からはこれまでに高橋陽一郎監督の「水の中の八月」と杉森秀則監督の「水の女」がグランプリに当たる最優秀作品賞を、竹内洋介監督の「種をまく人」が最優秀監督賞と最優秀女優賞をW受賞している。

2005年から配給会社やバイヤー向けの業界イベント“アゴラ”が開催されており、中でも上映作品の版権を売買する“フィルムマーケット”や新作の共同開発を行う“コプロダクションマーケット”、制作途中の作品を売買する“ワーク・イン・プログレス” などは高い注目を集めている。