シネクエスト映画祭

アメリカ、カリフォルニア州北部の都市サンノゼで開催される国際映画祭。サンノゼはIT企業が多く集まるシリコンバレーの中心地であり、人口は約100万人(カリフォルニア州第3位)、北カリフォルニア最大の都市である。サンフランシスコやオークランドなどの近郊都市と共に広域都市圏を形成している。

 

シネクエスト映画祭の歴史は1990年に始まる。「クリエイト・イノベイト・エンパワー」を映画祭のテーマに掲げ、最新のテクノロジーを駆使したクリエイティビティ溢れる作品が多数上映されている。映画の新ジャンルを構築する“ニュービジョン”、未知の領域や文化を表現する“グローバルランドスケープ”、表現の可能性を広げる“バーチャルリアリティ”などの部門を設け、従来の映画の枠にとらわれない自由な作品を積極的に選出している。

 

これまでに日本から牧原亮太郎監督の「屍者の帝国」、ササキミキコ監督の「ザ・グレート・サスケ」、ナガタタケシ監督、モンノカヅエ監督の「TRACK」、ロバート・コンドウ監督、堤大介監督の「ダム・キーパー」「ムーム」、川口恵里監督の「Try the World」などが選出されている。映画芸術科学公認の映画祭でもあり、最優秀短編作品には米国アカデミー賞の応募資格が与えられる。

 

ロッテルダム国際映画祭

オランダ南西部に位置する南ホラント州の最大都市ロッテルダムで開催される国際映画祭。ロッテルダムはヨーロッパ最大の港を擁し、人口は首都アムステルダムに次ぐ約60万人を誇る。ヨーロッパの水陸交通網の拠点となる都市であり、“ヨーロッパの入口”とも呼ばれている。

 

映画祭の歴史は1972年に始まる。世界3大映画祭やロカルノ、サン・セバスティアンなどのヨーロッパを代表する映画祭に比べ歴史は浅いものの、上映本数はヨーロッパ最多となる約400本、来場者数は約25万人を記録するなど、その注目度は高い。国際映画製作者連盟に加盟せず、枠に囚われない独自のプログラムや政策を打ち出すことで、他の映画祭とは一線を画す祭典として発展し続けている。映画祭と並行して開催される業界関係者向けのイベントも充実しており、共同企画開発を行う“CINEMART”やプロデューサーの育成を行う“ロッテルダム・ラボ”、製作出資を行う“ヒュゥーバァト・バルス・ファンド”などがある。

 

同映画祭はアジア映画を多く上映することでも知られ、これまでに日本から風間志織監督の「冬の河童」や橋口亮輔監督の「渚のシンドバッド」、古厩智之監督の「まぶだち」、池田暁監督の「山守クリップ工場の辺り」、田中稔彦監督の「莉の対」がグランプリにあたるタイガーアワードを受賞している。

 

クレルモン=フェラン国際短編映画祭

フランス中心部に位置するピュイ・ド・ドームの県庁所在地クレルモン=フェランで開催される国際映画祭。クレルモン=フェランの主な産業は食品や化学製品などの製造業であり、タイヤメーカーのミシュランも本社を構えている。哲学者のブレーズ・パスカルの生誕の地としても知られている。

 

映画祭の歴史は1979年に始まり、世界最大の短編映画祭として地位を確立し、毎年の来場数は14万人、上映本数は500作品を誇る。国際舞台への登竜門としてマチュー・カソヴィッツ、セドリック・クラピッシュ、エリック・ゾンカなどを輩出している。また、映画祭と並行して開催されるマーケットでは、海外配給や製作出資などの商談が行われる。

 

これまでに数多くの日本作品が上映されており、長久允監督、山村浩二監督、原田裕司監督、庵野秀明監督、堀貴秀監督などがそれぞれ賞を受賞している。2007年にはロイストン・タン監督の「モンキーラブ」が、2008年にはナガタタケシ監督とモンノカヅエ監督による「Pikapika, Lightning Doodle Project」がグランプリを受賞する快挙を達成した。

 

シンガポール国際映画祭

シンガポールの首都で開催される国際映画祭。シンガポールの面積は東京23区とほぼ同じ大きさであり、人口は約560万人、公用語は英語(第一言語)、マレー語、中国語、タミル語である。アジアを代表する世界都市であり、世界都市ランキングでも常に上位に位置している。また、観光地としても人気があり、総合リゾート施設マリーナベイ・サンズや国立自然公園ガーデンズ・バイ・ザ ベイなどが有名。

 

シンガポール国際映画祭は1987年に始まる。国内最大かつ最古の映画祭であり、国内外の映画を紹介するプラットフォームとして重要な役割を果たしている。1991年からアジア映画に限定した部門“シルバースクリーンアワード”を設け賞の授与を行い、アジア映画の普及と新人監督の発掘に力を入れている。

 

毎年、11月下旬にマリーナベイ・サンズやアートサイエンスミュージアムなどの劇場で国内外の約100作品が上映される。映画の上映以外にも著名な監督やプロデュサーが映画について語る“マスタークラス”、資金調達や海外配給のレクチャーが行われる“シネマフォーラム”、レットカーペットやトークショーなど様々なオフスクリーンイベントが開催されている。

 

ビルバオ・ドキュメンタリー&短編国際映画祭

スペイン北部の都市ビルバオで開催される国際映画祭。ビルバオはバスク州ビスカヤ県の県庁所在地かつ最大の都市であり、人口は約35万人(国内第10位)、北大西洋に面した湾岸都市である。スペインを代表する観光地であり、ビルバオ・グッゲンハイム美術館などが有名。また、スペインの画家ピカソの代表作「ゲルニカ」の舞台となった都市ゲルニカは車で約30分の距離にある。

 

ビルバオ・ドキュメンタリー&短編国際映画祭の歴史は1959年に始まり、1974年に国際映画製作者連盟公認の映画祭となる。前身はビルバオ・ラテンアメリカン&フィリピーノ・ドキュメンタリー映画祭。毎年、11月中旬の8日間で国内外の一般公募の中から選出された長編初監督作品と短編作品がコンペティション形式で上映される。

 

コンペティション以外にも著名なドキュメンタリー映画監督の作品を上映する“ビューティフル・ドックス”や児童向けの作品を上映する“ZINEBIティキ”、回顧展や特別上映会など様々なプログラムが企画されている。また、会期中には業界人向けのビジネスマッチング、ワークショップ、マスタークラス、レセプションなどが開催される。2017年に桑畑かほる監督とマックス・ポーター監督による「Negative Space」がグランプリを獲得した。

 

エスピーニョ・アニメーション国際映画祭

ポルトガル北西部の基礎自治体エスピーニョで開催される国際映画祭。エスピーニョは北大西洋に面した海岸都市であり、その面積は東京の港区とほぼ同じ、人口は約3万人、公用語はポルトガル語。首都リスボンから車で約3時間、第二の都市ポルトからは車で約20分の距離にある。ビーチリゾートやカジノを有する観光地としても知られている。

 

エスピーニョ・アニメーション国際映画祭の歴史は1976年に始まる。ポルトガル最大のアニメーションの映画祭であり、「シンアニマ」の愛称で親しまれている。映画芸術科学アカデミー公認の映画祭であり、最優秀短編作品には米国アカデミー賞の応募資格が与えられる。

 

毎年11月の7日間で国内外の約100作品が上映される。上映プログラムは賞の対象となるコンペティション部門と、招待作品や特集作品を上映する非コンペティションで構成され、部門は長編部門、短編部門、学生部門、ジャンルを問わず様々なアニメーションが一般公開される。

 

タリン・ブラックナイト映画祭

エストニアの首都であり最大都市のタリンで開催される国際映画祭。エストニアは北ヨーロッパに位置し、人口は約130万人、エストニア語を公用語とする。その首都であるタリンはバルト海に面する湾岸都市であり、人口は約45万人、スカイプが開発された地としても知られている。

 

タリン・ブラックナイト映画祭は1997年に始まる。北欧で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭であり、作家性やメッセージ性の強い作品を積極的に上映している。プログラムはコンペ部門と非コンペ部門に分かれて上映が行われ、コンペ部門では審査員による賞の授与が行われる。

 

同映画祭では児童青年映画祭“ジャスト・フィルム”や短編映画祭“PÖFFショート”、業界関係者向けイベント“インダストリー@タリン&バルティック”が同時開催されており、幅広い作品のラインナップや充実したイベントの内容は参加者から高い評価を得ている。

 

バンクーバー・アジアン映画祭

カナダ西部の都市バンクーバーで開催される国際映画祭。バンクーバーは太平洋に面する人口約60万人の湾岸都市であり、住民の約半数が英語以外を使用する多民族多言語のコスモポリタンシティーである。ハリウッド映画の撮影地としても知られ、ロサンゼルスの北に位置する事から通称“ハリウッド・ノース”と呼ばれている。

 

バンクーバー・アジアン映画祭の歴史は1997年に始まる。アジア系の映画祭としてはカナダで最も歴史のある映画祭であり、毎年国内外から集められた長編や短編など約100作品が上映されている。上映は市内の中心に位置する映画館シネプレックス・オデオンなどの劇場とオンライン配信のハイブリッドで行われ、11日間の会期中には多くの映画ファンや業界関係者が参加し盛り上がりを見せている。

 

映画祭以外にも年間を通して映画制作、カンファレンス、文化交流、上映会、ワークショップなどアジア映画を支援する様々なプログラムやイベントが実施されており、映画人の育成や映画文化の振興にも力を入れている。「ワイルドスピード」シリーズや「スター・トレック BEYOND」のジャスティン・リン監督の初監督作品も上映された。

 

サンディエゴ・アジアン映画祭

アメリカ西海岸の都市サンディエゴで開催される国際映画祭。サンディエゴはカリフォルニア州の最南端に位置し、アメリカとメキシコの国境にある都市である。その人口は約140万人、州内ではロサンゼルスに次で2番目に、国内では8番目に多い。年間を通して温暖な気候であり、ショッピングやアウトドアスポーツが人気のリゾート地でもある。

 

サンディエゴ・アジアン映画祭はアジア系アメリカ人とアジア人の映画の普及を目的に2000年に始まる。毎年11月の開催期間中には国内外の約150作品が上映され、審査員や観客の投票による賞の授与が行われる。これまでに、ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」や平栁敦子監督の「OH LUCY!」など、数多くのプレミア上映を成功させた実績を持つ。

 

映画の上映以外にも、監督と観客が直接ディスカッションができるQ&Aや、映画関係者向けセミナー、海外配給に関するカンファレンスなど様々な業界イベントが開催されており、南カリフォルニアを代表するアジア映画祭として人気を集めている。

 

マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭

ドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州の都市マンハイムで開催される国際映画祭。マンハイムの人口は約30万人、同州ではシュトゥットガルト、カールスルーエに次いで3番目に多い。世界有数の自動車メーカーや建設機械メーカーが工場を構える製造業の町であり、メルセデス・ベンツ創業の地としても知られている。

 

マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭の歴史は1952年に始まる。ドイツではベルリン国際映画祭に次いで歴史のある国際映画祭である。“新人”、“アートハウス”、“量より質”を映画祭のテーマに掲げ、世界的に無名な新人監督や作家性の強い作品を積極的に選出し、国内外から厳選された約50作品が上映されている。

 

これまでに、フランソワ・トリュフォー、ヴィム・ヴェンダース、ラース・フォン・トリアーの長編デビュー作のプレミアを成功させた実績を持ち、その他にも数多くの著名な映画監督を輩出している。 日本からは、戸田博監督の「春雪」や高橋玄監督の「CHARON」、河瀬直美監督の「あん」などが正式出品されており、青山真治監督の初長編作品「Helpless」がグランプリを受賞している。

 

ストックホルム国際映画祭

スウェーデンの首都であり最大の都市ストックホルムで開催される国際映画祭。ストックホルムの人口は北欧最大の約100万人を誇り、スウェーデン語を公用語とする。同市はスウェーデンにおける政治、経済、文化の中心地であり、そのGDPは国内の約1/3を占め、ヨーロッパの都市の中でもTOP10に入っている。

 

ストックホルム国際映画祭の歴史は1990年に始まる。第1回目はストックホルム最古の映画館アストリアで開催され、4日間で45作品を上映する小規模なものであった。現在では12日間で150本以上を上映する規模にまで成長し、ヨーロッパを代表する映画祭として認知されている。

 

同映画祭では新人監督の発掘と育成をテーマに掲げ、これまでにラース・フォン・トリアーやクエンティン・タランティーノ、ギャスパー・ノエ、ヨルゴス・ランティモスなどが最高賞に当たる最優秀作品賞を受賞している。また、賞の受賞者に贈られるトロフィーの重さが7.3kgもあり、“世界一重いトロフィー”として知られている。

 

ベルリン国際短編映画祭

ドイツの首都であり国内最大の都市ベルリンで開催される国際映画祭。ベルリンの人口は370万人、ヨーロッパの中ではロンドンに次ぐ規模を誇る。ヨーロッパ最大の映画産業都市であり、1000の製作会社と270の映画館が存在し、毎年300以上の映画撮影が行われている。また、ヨーロッパ最大の撮影スタジオ、バーベルスベルクスタジオがあることでも知られている。

 

ベルリン国際短編映画祭の歴史は1982年に始まる。インターフィルム・ベルリンが運営する短編に特化した国際映画祭であり、国内ではオーバーハウゼン国際短編映画祭に次ぐ歴史を持つ。毎年、国内外から集められた約500作品が上映され、約2万人の観客が来場する。2018年には映画芸術科学アカデミー公認の映画祭となった。

 

上映プログラムは賞の対象となるコンペティション以外に、国特集の“FOCUS ON”、テーマ特集の“DELICACIES”、ミュージックビデオ特集の“CLIPS&TRACKS”など、様々なプログラムが設けられている。また、会期中に開催される“INTER FORUM”では、映画監督や特別ゲストが登壇するフィルムトークや、製作についてレクチャーを行うマスタークラスなども企画されている。