カイロ国際映画祭

エジプトの首都カイロで開催される国際映画祭。カイロはエジプトの北東部に位置する国内最大の都市であり、人口は約1000万人。アラブ世界で最も人口が多い都市であり、アラブ世界や中東を代表する世界都市の一つ。世界最長のナイル川やギザの三大ピラミッド、スフィンクスなどを有する観光地としても知られている。

 

カイロ国際映画祭の歴史は1976年に始まる。エジプト文化省が主催する国内最大の映画祭であり、アラブ世界およびアフリカ大陸で最も有名な映画祭の一つとして知られている。国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の映画祭であり、カンヌ、ベルリン、ヴェネチア等と共に14のコンペティティブ長編映画祭の一つにカテゴライズされている。毎年11月中旬にカイロ・オペラハウスをメイン会場として約100作品以上が上映され、コンペティションの最優秀作品にはゴールデン・ピラミッド・アワードが贈られる。

 

映画祭会期中には、アラブ人製作者と交流の機会を提供する業界イベント”カイロ・インダストリー・デイズ”が開催され、国内外から業界関係者が参加し、共同制作やローカライズ、資金調達・出資等が行われる。同イベントの目玉でもある”カイロ・フィルム・コネクション”では、アラブ人監督の育成を目的に、開発段階やポスプロ段階の作品に対して国内外からの助成金や資金を提供し映画製作のサポートを行なっており、新たな才能を発掘するプラットフォームとして高い注目を集めている。

 

タリン・ブラックナイト映画祭

エストニアの首都であり最大都市のタリンで開催される国際映画祭。エストニアは北ヨーロッパに位置し、人口は約130万人、エストニア語を公用語とする。その首都であるタリンはバルト海に面する湾岸都市であり、人口は約45万人、スカイプが開発された地としても知られている。

 

タリン・ブラックナイト映画祭は1997年に始まる。北欧で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭であり、作家性やメッセージ性の強い作品を積極的に上映している。プログラムはコンペ部門と非コンペ部門に分かれて上映が行われ、コンペ部門では審査員による賞の授与が行われる。

 

同映画祭では児童青年映画祭“ジャスト・フィルム”や短編映画祭“PÖFFショート”、業界関係者向けイベント“インダストリー@タリン&バルティック”が同時開催されており、幅広い作品のラインナップや充実したイベントの内容は参加者から高い評価を得ている。

 

ワルシャワ映画祭

ポーランドの首都であり最大の都市ワルシャワで開催される国際映画祭。ワルシャワは同国のほぼ中央に位置し、人口は約180万人(ヨーロッパ第10位)、ヨーロッパを代表する世界都市である。観光地としても有名であり、ユネスコの世界遺産に登録されている「ワルシャワ歴史地区」や作曲家ショパンの「ショパン博物館」などがある。

 

ワルシャワ映画祭の歴史は1985年に始まる。2009年に国際映画製作者連盟公認の映画祭となり、カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、ロカルノ、サン・セバスティアンなどと並びヨーロッパの中でも重要な映画祭の一つとして知られている。映画芸術科学アカデミー公認の映画祭でもあり、最優秀短編作品には米国アカデミー賞の応募資格が与えられる。

 

毎年10月の10日間で国内外から選出された約200作品が、コンペ部門と非コンペ部門に別れ市内の劇場で公開される。コンペ部門では、新人監督を対象とした1-2部門や革新的で野心的な作品を対象としたフリースピリッツ部門が設けられるなど、他の映画祭では見られない独自のプログラムに注目が集まっている。

 

シッチェス映画祭

スペイン北東部の都市バルセロナで開催される国際映画祭。シッチェスはカタルーニャ州のバルセロナに属し、人口は約3万人、公用語はカタルーニャ語とスペイン語である。年間300日以上晴れの日が続くリゾート地であり、地中海に面したビーチや街中のショッピングサイト、レストランなどには世界中から観光客が訪れ賑わいを見せている。

 

シッチェス映画祭の歴史は1968年に始まる。同映画祭はファンタジーやホラー、SF、スリラーなどに特化したジャンル系の国際映画祭であり、世界最大かつ最も権威のあるジャンル映画の祭典として「ジャンル映画祭のゴッドファーザー」と称されている。毎年10月に開催され、上映本数は約300作品、来場者は約20万人を記録している。

 

賞の対象となるコンペティション部門には、ハリウッドメジャーからインディペンデントまで幅広く質の高い作品がプログラムされ、優秀作品に賞が贈られる。ジャンル映画祭ではあるものの、業界の中でも非常に評価が高い映画祭であり、多くの作品がワールドプレミアで上映される。また、映画芸術科学アカデミー公認の映画祭であり、短編部門の最優秀作品には米国アカデミー賞の応募資格が与えられる。

 

オタワ・アニメーション国際映画祭

カナダの首都オタワで開催される国際映画祭。オタワはカナダの南東部位置するオンタリオ州に属し、人口は約100万人(国内第4位)、公用語は英語である。トロントまで車で約4時間、モントリオールまで車で約2時間の距離にあり、カナダの行政機関が集まる政治の中心地である。

 

オタワ・アニメーション国際映画祭の歴史は1976年に始まる。北米最大かつ最古のアニメーション映画祭であり、アヌシー、ザグレブと並び世界三大アニメーション映画祭の1つとして知られている。毎年9月下旬の5日間で、国内外から集められた100作品以上が市内の映画館や美術館で公開される。上映は賞を競うコンペティション部門と、非コンペティションのパノラマ部門とスペシャルスクリーニング部門で行われる。

 

映画祭の最高賞となるグランプリを競うコンペ部門では、これまでに多くの日本映画がグランプリを受賞しており、長編部門で『夜は短し歩けよ』(乙女湯浅政明監督)、『音楽』(岩井澤健治監督)、『幾多の北』(山村浩二監督)の3作品、短編部門で『カフカ 田舎医者』(山村浩二監督)、『帽子をかぶった小さな人々』(二瓶紗吏奈監督)、『骨嚙み』(矢野ほなみ監督)、『半島の鳥』(和田淳監督)、『みじめな奇蹟』(折笠良監督)の5作品となっている。

 

サン・セバスティアン国際映画祭

スペイン北東部の都市サン・セバスティアンで開催される国際映画祭。サン・セバスティアンは北大西洋に面した人口約20万人の港町であり、スペインを代表する観光地としても知られている。年間を通して音楽や演劇、映画など様々な文化イベントが開催されており、2016年に欧州文化首都に指定された。

 

サン・セバスティアン国際映画祭の歴史は1953年に始まる。スペイン最大の国際映画祭であり、ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭に位置付けられている。国際映画製作者連盟公認のコンペティション形式の映画祭であり、各部門の優秀作品には賞や賞金が贈られ、毎年の上映数は約200作品、来場者数は約20万人を記録している。

 

映画祭と並行して映画マーケット「The Industry Club」が開催されており、業界関係者向けに企画開発や海外セールスなどの商談を行う機会が提供されている。また、セミナーやレセプション、ピッチプログラムなどのイベントも連日開催されており、映画祭の目玉の一つとして注目を集めている。

 

釜山国際映画祭

韓国南東部の都市釜山で開催される国際映画祭。釜山は首都ソウルに次ぐ韓国第二の都市であり、その人口は約360万にのぼる。韓国最大の釜山港を有する湾岸都市として、東アジアの物流の拠点となる重要な役割を果たしている。また、古くから日本との交流が盛んであり、地理的にも近い下関市と福岡市は姉妹都市の関係にある。

 

釜山国際映画祭の歴史は1996年に始まる。国際映画製作者連盟公認の国際映画祭であり、アジアを代表する映画の祭典として常に注目を集めている。釜山シネマセンターをメイン会場とし、毎年10月の10日間で、国内外の約300作品(ワールドプレミア約100作品)が上映され、来場者数は約20万人を記録している。

 

同映画祭では従来の映画祭に加え、映画の売買を行う“アジアン・フィルム・マーケット”、共同開発を行う“アジアン・プロジェクト・マーケット”、投資を行う“アジアン・シネマ・ファンド”、 ワークショップやレクチャーを行う“アジアン・フィルム・アカデミー”などが併設されており、映画業界をサポートする様々な機会が提供されている。

 

トロント国際映画祭

カナダ最大の都市トロントで開催される国際映画祭。トロントはカナダの経済、金融、文化の中心地であり、人口は北米で第4位の約300万人に上る。コスモポリタンシティーを象徴する多民族多文化の街であり、公用語の英語とフランス語以外にも様々な言語が使用されている。

 

トロント国際映画祭の歴史は1976年に始まる。国際映画製作者連盟が公認する非コンペティティブ形式の国際映画祭であり、「映画祭の中の映画祭」と呼ばれている。北米最大かつ最多のプレミア数を誇り、11日間の会期中には長編と短編を合わせて約300作品が上映され、来場者数は約70万人を記録している。

 

「スポットライト」、「ラ・ラ・ランド」、「スリー・ビルボード」など、毎年同映画祭の最高賞に当たるピープルズ・チョイス・アワード(観客賞)を受賞した作品が米国アカデミー賞を始めとする主要な映画祭で賞を受賞していることから、賞レースの行方を占う重要な映画祭として知られている。日本からは2003年に北野武監督の「座頭市」がピープルズ・チョイス・アワードを受賞している。

 

ヴェネチア国際映画祭

イタリア北東部の都市であり、ヴェネト州の州都ヴェネチアで開催される国際映画祭。ヴェネチアの人口は約30万人、118の小さな島で構成され400以上の橋で結ばれている。その美しい街並みから“水の都”と呼ばれ、イタリアを代表する観光地であり、世界遺産にも登録されている。

 

ヴェネチア国際映画祭の歴史は1932年に始まる。世界最古の国際映画祭であり、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭と並び世界三大映画祭の1つとして知られている。国際美術展覧会ヴェネツィア・ビエンナーレの一部として、毎年8月から9月にかけて市内のリド島で開催されている。

 

上映プログラムは、ヴェネチア部門(コンペティション)、非コンペティション部門、オリゾンティ部門などで構成され、コンペ部門の最優秀作品には賞と賞金が贈られる。これまでに日本からは黒澤明監督の「羅生門」、稲垣浩監督の「無法松の一生」、北野武監督の「HANA-BI」が金獅子賞を、宮崎駿監督が栄誉金獅子賞を受賞している。

 

ロカルノ映画祭

スイス南部に位置するティチーノ州の都市、ロカルノで開催されている国際映画祭。ロカルノはイタリアのミラノから車で約2時間の距離にあり、人口は約16万人、イタリア語を公用語とする。アルプス山脈の麓にあり、森や湖などの大自然に囲まれたスイスを代表するリゾート地である。

 

ロカルノ映画祭の歴史は1946年に始まる。ヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭などと並び、世界で最も歴史のある映画祭の一つであり、国際映画製作者連盟が公認するコンペティション形式の国際映画祭として、12部門で25の賞と賞金の授与が行われている。これまでに、『地獄門』(衣笠貞之助監督)、『野火』(市川崑監督)、『無常』(実相寺昭雄監督)、『オータム・ムーン』(クララ・ロー監督)、『愛の予感』(小林政広監督)、『旅と日々』(三宅唱監督)の邦画6作品が最高賞となる金豹賞(グランプリ)を受賞している。

 

毎年8月上旬の会期中には、11日間で来場者16万人、メディア1千人、業界関係者3千人が世界中から集う。また、ロカルノ映画祭の代名詞でもある野外上映会ピアッツァ・グランデは、収容人数8千人の世界最大の上映会としても知られている。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響から通常形態での開催は中止となったが、オンライン上映など新たな取り組みを行う「ロカルノ2020:For the Future of Films」として開催された。

 

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭

チェコ西部の都市カルロヴィ・ヴァリで開催されている国際映画祭。カルロヴィ・ヴァリは首都プラハから車で1時間ほどの距離にあり、人口は約5万人、チェコを代表する保養地として知られている。街のいたるところに温泉があり、その数は大小合わせて約300にものぼる。群馬県、草津町とは姉妹都市の関係にある。

 

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭の歴史は1946年に始まる。1989年の民主革命までチェコスバキアのもとで開催され、国内情勢の変化とともに体制を変えながら、1994年にチェコ国内の監督や俳優が新たに運営会社を設立し、現在の映画祭の形となった。

 

毎年、国内外の約200作品がワールドプレミア、インターナショナルプレミアとして上映されており、メディアや配給会社、エージェントなどから高い注目を集めている。国際映画製作者連盟公認の映画祭であり、カンヌやベルリンなどで評価の高かった作品の上映が行われるなど、世界の映画祭を賑わせた作品が一堂に会する映画祭でもある。

 

上海国際映画祭

中国の東海岸に位置する都市上海で開催される国際映画祭。上海の人口は首都北京の約2,200万人をうわまわる約2,400万人にのぼり、中国最大の都市として経済や文化の中心を担っている。また、世界最大のコンテナ取扱量を誇る上海港を有し、国際的なハブ港湾としても重要な役割を果たしている。

 

上海国際映画祭の歴史は1993年に始まる。中国で唯一、国際映画製作者連盟公認の映画祭として、映画文化の普及と映画産業の発展とを目的に、毎年10日間の会期中に国内外の約500作品が上映されている。日本映画が多く選出される映画祭としても知られ、日本特集や特別上映会などが人気を博している。

 

映画祭に併せてマーケットやプロジェクト、フォーラムなどの業界イベントが開催されており、世界中から映画を求めて配給会社やエージェント、業界関係者が参加している。中国やアジア市場進出への窓口となる重要な機会であり、映画のビジネス面をサポートする様々な取り組みが行われている。